「皮膚、髪、爪など、目に見える部分の相談は、皮膚科専門医へ」
専門医制度とは?
日常みかける「内科・皮膚科」「整形外科・皮膚科」などの看板。
様々な理由で専門ではない分野を標榜されているケースが多くあります。
日本の医療制度では、医師免許さえあれば、法律上はどの診療科を標榜してもよいためです。
病気についての新たな発見や治療のアップデートが繰り返し必要となる昨今、
専門医療を行う医師の質を保証するのが、「専門医制度」です。
皮膚科の場合、
- 医学部を卒業して医師免許を取得後、まず初期研修を2年間行います。
- その後5年以上、皮膚科専門医認定施設で、様々な種類・重症度の疾患の診療に従事します。
- あわせて講習会の受講、学会発表(8回以上)、自らが筆頭著者となる医学論文の執筆・発表(3本以上)も行います。
これらのことを修了してはじめて、専門医の受験資格が得られます。
皮膚科専門医試験は筆記試験で行われ、合格率は70%程度です。
(なお、昭和62年以前は筆記試験がなく、書類申請のみでした。)
専門医取得後も、資格更新のために学会などでの情報収集、診療実績の報告を通して、
知識のアップデートが求められます。
大学病院などの高度医療機関での十分な臨床経験や、基礎及び臨床研究などの経験を通して、
一般病院の通常の診療だけでは不足する経験と知識を補い、
皮膚科の知識・経験の幅と奥深さを身につけるために必要なシステムだと考えます。
地域に病院が1つしかない過疎地と異なり、多くの病院・クリニックがある都市部では、
どの領域でも、その分野の専門の医師の診察が安心・確実だと、皆さん感じて頂けると思います。
「皮膚、髪の毛、爪などの、目に見える部分」で相談したいな、と思った時、
「皮膚科専門医なのかどうか?」
をちょっと気に留めてみてただけるといいかな、と思います。