現在、関節リウマチや炎症性腸疾患、ガン治療、アレルギー性疾患などの様々な病気の治療に、抗体を用いた薬剤(生物学的製剤)が用いられています。それぞれの病気で重要な役割を持つタンパクを直接抗体で中和し、炎症やアレルギー反応、ガンの進行などをとめる、というものです。
より直接的に免疫をコントロールできるため、既存の治療で難治であった患者さんにも有効な治療として、今後もさらに増えていくことが予想されます。
皮膚科においても現在乾癬、じんましん、アトピー性皮膚炎でこの生物学的製剤が用いられます。特に乾癬では現在7種類の生物学的製剤が承認され、実際の治療に用いられています。
乾癬での生物学的製剤の導入・維持は日本皮膚科学会の承認施設で行われており、これまではほぼ大学病院や総合病院に限定されていました。私も緑市民病院に赴任となったときに承認施設としてを認可を取得し、治療を行っておりました。
これまでは皮膚科クリニックでは生物学的製剤の治療が原則困難な状況でしたが、2018年度から学会の方針が改訂となり、生物学的製剤について十分な経験を持つ皮膚科専門医が診療するクリニックであれば、大学病院などの基幹施設との連携することで、生物学的製剤の導入・維持が可能となりました。
緑かごやま皮膚科クリニックは2018年6月13日付で生物学的製剤承認施設となりました。クリニックとしては愛知県で最初の承認施設であり、2018年6月現在では県下唯一のクリニックとなります。これにより乾癬については外用・内服・光線療法・生物学的製剤に対応可能となりました。
基幹施設である藤田保健衛生大学病院皮膚科と緊密に連携しながら、乾癬の治療を必要とする方々に、安全・確実な乾癬の診療で貢献できるよう、今まで以上に努力してまいります。