原発性局所多汗症については、塩化アルミニウム溶液での外用治療が第一選択です。
しかし、その治療がうまく行かない場合、掌蹠(手のひらや足の裏)ではイオントフォレーシスという治療が保険適応となっています。
今回イオントフォレーシスの機械を導入しました。
これは水道水を入れたトレイに両手または両足をのせ、そこに電気を流すことで発汗量が減少する治療です。電流を流すことで生じる水素イオンが、汗孔を狭くして発汗を抑えるとされています。
治療は1回10-20分程度の治療を週1回で10回前後行い、効果が見られたら間隔を空けて治療を行っていく、というものです。完全に治療を止めると発汗量が戻ってきてしまう傾向があり、症状により1−4週間に1回の治療が必要となります。
保険適用となるため、自己負担率が1割で220円、2割で440円、3割で660円となります。
子ども医療の対象であれば自己負担はありません。
これで外科的治療を除き、局所多汗症の治療のほとんどに対応可能となります。
多汗症は過剰な発汗が繰り返し起こり、患者さんの苦痛も多い疾患です。
そのような方々に、何らかのお力になることができれば幸いです。